あこがれの50歳になってもう1ヶ月が過ぎました。身体の痛み具合、頭のボケ具合、容姿の衰え具合、なるほどな点も多々ありますが心の成長がともなっていなくて・・もっと50って大人だと思ってた というところが正直な感想です。
この1ヶ月間も色々なことがたくさんありました。いつものようにドッキリがあってマリンピアがあって、お声がけいただくあちらこちらで出演させていただいて、活ハウスでも火曜定例会があり、各種イベントがあり・・そんななかで色々と感じて気がついて、ご愛顧いただきました火曜定例会を月一稽古会に統一する決断をいたしました。
写真は活ハウスで2月18日、19日と連日で開催した若き精鋭 不動坊歌宴さん、銀杏亭魚折さんの落語会。私も高座にあげていただきました。壺算、お見立て どちらも持ちネタとして筆頭にあがる噺なのに我が活ハウスの高座でお客様を前に演るのは初めてであることに気がついて自分で驚きました。
実は活ハウスをはじめた頃から自分で落語をやるのが怖くなり、火曜定例会でもお客様が入られる前にちゃちゃっとすませていたような訳でして・・これではいけないな〜と反省しているところにお客様から「今度の活ハウスでは活砲偽さんの落語きけますか?」と問い合わせをいただいたり、魚折さんの会をプロデュースされた小遊さんから出演依頼をいただいたり。もしかするとこのチャンスを逃したらもうどこの高座にもあがる勇気が持てなくなるかも知れない、神様からの啓示と”えいやっ!”と落伍者の会から少しずつ落語をさせていただきました。想像の通り活ハウスの高座はあの狭い空間で演者の息づかいまでがお客様に届くごまかしのきかない高座。ちょっとした目線のずれ、自分のなかの迷いが敏感に噺のはこびに響いてくる・・大きい会場には無いプレッシャーがあり、今まで快くこの高座にあがってくださった社会人落語家の皆さんに改めて敬意を表しながら心から感謝しました。そうは言いながらもお客様との一体感を持てたときには楽しさ半端なく、これは活ハウスの魅力なのだろう(自画自賛)と感じたり・・・(もっと早く気づけよ〜)
そんな時に歌宴ちゃんが演ってくれた芝浜。若くて清々しくて潔い彼女の人柄そのものが生かされた心を打つ噺で、お聞きして号泣しながら活ハウスをオープンした頃を思い出していました。芝浜の魚屋さんが棒手降りから路面店を持つまでになったように人がコツコツと働くってどういうことなのか体感してみたい そんな思いもありはじめた小屋でしたのでオープン記念にはどなたかに芝浜を演っていただきたいそう思い仲間内であたりましたが持っている方がいなくて断念しました。その噺が1周年すぎた今活ハウスで聞けた〜しかもこんな若くて清々しい女性が演ってくれている。1年前には想像もしなかったことが目の前でおきた衝撃に突き飛ばされたようでした。
そうだ!私がコツコツやるべきは落語じゃないか!!どんな席でも「喜んで演らせていただきます」と言える技量と度量をつけることこそが50になった今やるべきことなんじゃないか
突然そう思いまして
折しも長年お休みしておりました琵琶のお稽古を昨年の10月から再開・・とはいえ20年ほどのブランクに流派を変えて楽器も四弦から五弦に改造して、とのほぼ新天地。幸いなことに大変素晴らしい先生とのご縁をいただき50の手習いとばかりに教えていただいていますが生来の不器用さも手伝ってなかなか上達せず、いずれ琵琶で語る落語をやりたいという思いはいつ実現できるのか?こちらも本腰を入れて取り組んでいきたい
何かに集中するには何かをやめないとできない不器用な人間です。なんとか両天秤をと思ってみても結果として火曜定例会を、活ハウスを支えてくださる皆様にご迷惑をおかけする始末 どうしたもんだろうか?そう思っているところに届いたお客さまからのメール
活ハウスという所は 魂の交差点
のような所のように思えます。
行き交う人は共に歩む人もあれば
離れていく人もあり、また出会う人あれば共にあゆみ…必ずそこには活砲偽さんに会えるからと回り道してもその交差点を通りたがり、懐深く包みこまれる場所そんな所に思えました。
泣けました・・いえ、実際ここまでには到達できていないことはよくわかっているのですが、お一人でもそう感じてくださった方がいらっしゃるとすれば少なくとも活ハウスはその方向へ向けて進んでいるに違いない そう思えたときに活ハウスのアイデンティティ(存在意義)を確立したくてこだわった火曜定例会の役目はひとまず終了してもいいんじゃないかそんな結論をだしました。
これからの月一稽古会は私も積極的に参加いたします。もちろんそれ以外の日も自主トレに励んでおりますし、もし私が不在でも活ハウスをご利用いただくことは可能ですので、逆に火曜日にとらわれることなく「今日行ってみたいんだけどどう?」と遠慮なくお問い合わせください。縛りをなくしてより多くの方に自由に活ハウスをお楽しみいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。